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石井千花の花ごよみ

日比谷花壇本社 シニアデザイナー 石井千花(いしい・ちか)
学生時代をデンマークで過ごし、大自然と人の関わり方に大きな影響を受け、帰国後フラワーデザイナーに。 "自然と関わって生きる"自らのライフスタイルを貫きながら、広く社会と人々に花と緑の提案を行っている。

日本は、古くから移り行く四季を愛してきました

しかし、世の中が便利になるにつれ、季節感を味わう機会が減り、行事についても年を追うごとに簡素化されています。
せっかくこの美しい日本に生まれたのですから、しずつでも日々の暮らしに、四季の移ろいを取り入れて、心のゆとりを感じてみませんか。ここでは、なじみの深い二十四節気と呼ばれる暦とその季節の花をご紹介します。

※二十四節気とは、節分を基準に1年を24等分に分け、春・夏・秋・冬などの名称を付けた季節のことで、約2600年前の中国で作られました。
日本でも古くから導入され、私たちの生活に密接な関係があります。

  • 春
  • 夏
  • 秋
  • 冬

春

2月4日
立春
りっしゅん

立春とは春のはじまり。まだ寒さは厳しい時期ですが、暖かい地方では、春の息吹が感じられる時期です。

フリージア(和名: 香雪蘭)

花をよく見ると、どれも上を向いています。大好きなお日さまを無邪気な顔で見上げているかのようですね。

2月19日
雨水
うすい

水(うすい)とは、日雪が雨に変わり、氷が融けて水になる日。雪が降り積もる大地の下では、植物たちの春支度が始まっています。

ヒヤシンス(和名: 風信子)

幕末のころ、日本にやってきて「風信子」という漢字が当てられました。どこか寂しげな表情のこの花を見ていると、なんだか便りを待ちわびる気持ちが募ってきます。

3月6日
啓蟄
けいちつ

啓蟄(けいちつ)とは、冬ごもり中の虫が目を覚まし姿をあらわす日。春の花々が咲き始める時期でもあります。

ガーベラ(和名: 花車)

丸い花の形から、異名が「花車」と名付けられました。まっすぐ伸びたたくましい茎は、春にぴったりですね。

3月21日
春分
しゅんぶん

春分とは昼と夜の時間が同じ日。すなわち、冬と夏のちょうど中間地点。早い地域では、桜が咲き始める頃でもあります。

クローバー(和名: 白詰草)

丸幸福のシンボルの四つ葉のクローバー。四つ葉ができる原因は、踏まれたりして、生長点が傷つけられるからだそうです。「幸運」と「幸福」は違います。踏まれて、傷ついた四つ葉は幸運ではなくても、他の葉よりも1枚葉が多い。だからこそ、幸福のシンボルにふさわしいですね。

4月5日
清明
せいめい

清明(せいめい)とは、南東風が吹く春のよい季節。草木の芽がでる時期です。

マーガレット(和名: 木春菊)

故郷は、モロッコ沖のカナリア諸島。ローマ時代から、幸運諸島と呼ばれてきたそうです。真珠のように純白な花びらがいかにも清楚。幸運諸島からやってきた幸運の使者ですね。

4月20日
穀雨
こくう

穀雨(こくう)とは、穀物を育てる雨が降り、芽を出させるという意味。

スイートピー(和名: 匂豌豆)

パステルカラーの蝶々のような花。やわらかい茎の動きに合わせて、嬉しそうに舞い飛んでいるようです。

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夏

5月6日頃
立夏
りっか

夏が始まる日のことです。この時期は大地が草で覆われ木々が繁ってきます。気持ちの良い風が吹き、晴天が続くので外に出ることが楽しみな時期でもありますね。

カーネーション(和名: 阿蘭陀石竹)

母の日も間近な立夏のころ。日比谷花壇では、たくさんのお母さんへの感謝の花をお届けする準備に大忙しです。母の日のシンボルであるこのカーネーションは、十字架にかけられたキリストを見た聖母マリアの涙の跡に咲いたといわれています。日本には、江戸時代にオランダからやってきたため、阿蘭陀(オランダ)石竹(ナデシコの仲間)と名付けられています。

5月21日頃
小満
しょうまん

秋にまいた麦などの穂がつく頃で、ほっと一安心すると言う意味。麦などに穂がつくと「今のところは順調だ、よかった」と満足したことから小満と言う名前が付いたようです。

イチジク(和名: 無花果)

漢字で「無花果」と書きますが、花は一応咲きます。なぜ“一応”かというと、実の中に咲くので見えないのです。初夏、私たちが、小さな実がふくらんできたと思い始めたころ、静かに無花果は花を咲かせているでしょう。

6月6日頃
芒種
ぼうしゅ

稲や麦など「穂が出る穀物の種を蒔く」という意味で、この頃は種まきを始め農家の忙しくなる時期です。ちょうど梅雨に入る頃で、少し蒸し暑くじめじめする時期です。

カラー(和名: 海芋)

“海の芋”と書くように、実はこの花はサトイモ科です。「乙女のしとやかさ」という花言葉、端正な形、美しい白色がウェディングにぴったりですね。

6月22日
夏至
げし

まだ梅雨の時期で、実感がないかもしれませんが、一年中で一番昼が長い時期。

アジサイ(和名: 紫陽花)

アジサイの花は両性花と装飾花の2種で構成されています。両性花は生殖能力のあるいわば花の本体ですが、あまり目立ちません。装飾花は大きな花びら(じつは萼)をもっていますが雄しべや雌しべが退化しており、実を結ぶことはありません。アジサイの花を見て多くの人が「花」と認識している部分は大概が装飾花だと思います。

7月7日
小暑
しょうしょ

梅雨明けが近く、本格的な暑さが始まる頃。

ヒマワリ(和名: 向日葵)

太陽を追いかけて花が回るから「ひまわり」と名付けられたようです。実際のところは、花にそのような性質はありませんが、若いつぼみのときは、太陽の方向にいつも顔を向けようとするのです。ひたすら太陽を追い求めているうちに、自らも太陽のような形の花になったのかもしれませんね。

7月23日
大暑
たいしょ

最も暑い頃という意味ですが、肌で感じるのはもう少し先ですね。

サルスベリ(和名: 百日紅)

文字通り、紅色の花が百日近くも咲き続けます(白色もあります)。その百日とは、ちょうど暑さの厳しい7月から9月ごろ。それでも、暑さも苦にもしないといった風情で、涼しげに咲いています。

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秋

8月8日
立秋
りっしゅう

一年で一番暑い頃ですが、一番暑いと言うことはあとは涼しくなるばかりですね。暑中見舞いは前日まで、この日以降は残暑見舞いを。

ツキミソウ(和名: 月見草)

夜になると花が開き、朝にはしぼんでしまうことから、月見草という名が付きました。朝になると、紅色を帯びてしおれているところが、ますますはかなげな一夜花です。実は、江戸時代の終わりにアメリカから渡来したものなのですよ。

8月23日
処暑
しょしょ

処暑は暑さが止むと言う意味。萩の花が咲き、朝夕は心地よい涼風が吹く頃。台風のシーズンでもありますね。

ノウゼンカズラ(和名: 凌霄花)

「凌」はしのぐ、超えるという意味。「霄」は空。大空をしのぐほど、天高く伸びていく花ということですね。灼熱の太陽をものともせずに、明るい花を咲かせながら…。この花を見るだけで、元気が出てきます。

9月8日
白露
はくろ

秋が本格的に到来し草花に朝露がつくようになるという意味です。太陽が離れていくため、空もだんだんと高くなっていく時期です。

コスモス(和名: 秋桜)

花の形と、たくさんの花が群がって咲く様子が、桜に似ているから「秋桜」という漢字で表記します。一方コスモスという名は、ギリシャ語の「宇宙」という言葉からきたようです。美しく均整のとれた花の形に由来するそうですが、宇宙とはスケールが大きいですね。

9月23日頃
秋分
しゅうぶん

秋分は春分と同じく、昼の長さと夜の長さが同じになる日です。この日を境に夜の方が長くなっていきます。まだ夏の暑さは残っていますが、少しずつ秋へと季節が移ろうのが感じられますね。

ケイトウ(和名: 鶏頭)

鶏のトサカに似ているから鶏頭という名が付いたようです。トサカに似た部分は、変形した茎だとか。その両面に小さな花が、びっしりついて、ふかふかのトサカができているというわけです。

10月9日
寒露
かんろ

草花に冷たい露が宿るという意味です。秋の長雨が終わり、秋も深まり始める頃です。東日本ではもみじの紅葉が始まり、農作物の収穫も行われますね。

ススキ(和名: 薄)

ススキは、秋の七草のひとつで秋の野を象徴する植物です。花言葉は、『勢力』、『活力』。実は大変に生命力が強く、強靭なのですよ。美しいですが、水揚げが悪く、すぐに葉が巻いてしまうので、花屋としては困ったものです。

10月24日
霜降
そうこう

霜降とは、霜が降りるという意味です。東北地方や本州中部では霜が降りるようになります。この頃になると、すっかり秋も深まり、もみじや楓が紅葉します。日本列島が北から徐々に、燃えるような赤色に染まる時期ですね。

ワレモコウ(和名: 吾亦紅)

「吾木香」とも書きます。茎や葉に香りがあることから名付けられました。一見地味ですが、どこか懐かしさを感じさせてくれる花。秋のアレンジメントや花束には欠かせません。

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冬

11月7日頃
立冬
りっとう

立冬とは、冬が始まるという意味で、太陽の光が弱まり、冬枯れの景色が目立つようになると言われています。

ストレリチア(和名: 極楽鳥花)

「極楽鳥花」という名の通り、極楽に住んでいる鳥のようなイメージそのものの可憐な花です。その花姿から、花言葉が『恋の伊達者』とも言われているのも面白いですね。

11月22日
小雪
しょうせつ

小雪とは、雨が雪になって降る時期。北の地方ではこたつを押し入れから出す家が増える頃なのではないでしょうか。

シンビジウム(和名: 美花蘭)

「美」しい「花」の「蘭」という単純な漢字名。非常に人気があり、主に徳島県で生産されています。淡い色合いの花が多いことから、『飾らない心』という花言葉が生まれました。

12月7日
大雪
たいせつ

大雪とは、雪が積もるという意味。この頃になると九州地方でも氷が張ります。12月に入り、街中がクリスマス一色になる時期。

ポインセチア(和名: 猩猩木)

鮮やかな赤は、冬でも熱く燃えている恋人たちの胸の想いをあらわしているかのようです。漢字で書くと「猩猩木」。猩猩とは、オランウータンのこと。昔の日本人は、猩猩は大酒飲みで真っ赤だと信じていたようです。クリスマスというよりも忘年会の象徴のようで面白いですね。

12月22日
冬至
とうじ

冬至は、一年で一番太陽が出ている時間が短い日ということです。クリスマスの後に迎えるお正月のために、準備をしておきたい時期。

シクラメン(和名: ブタノマンジュウ)

シチリア島の豚がこの花の地下茎を掘って食べるので、英語では「豚のパン」と呼ばれています。日本へやってきた明治時代では、パンという言葉がわかりにくかったため、「ブタノマンジュウ」と呼ばれました。

1月5日
小寒
しょうかん

小寒は寒さが増す時期。寒中見舞いは小寒から出し始めるタイミングでもあります。

サザンカ(和名: 山茶花)

サザンカというと、落ち葉焚きの歌があまりにも有名です。香りはほのかに甘く、どこか寂しげで控えめな花、そんなところから『謙譲』という花言葉が生まれたようですよ。

1月20日
大寒
だいかん

大寒とは、一年でもっとも寒さが厳しくなるという意味。外の寒さとは裏腹に、春の顔ぶれの花々が登場する時期。

ナノハナ(和名: 菜の花)

冬に咲く花ですが、早春の息吹を感じさせてくれるナノハナ。花言葉は『快活さ』。ナノハナを贈ってみたり、お家で飾ったりしませんか。ナノハナのような元気いっぱいな新年度を迎えることができるはずです。

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