しかし、世の中が便利になるにつれ、季節感を味わう機会が減り、行事についても年を追うごとに簡素化されています。
せっかくこの美しい日本に生まれたのですから、しずつでも日々の暮らしに、四季の移ろいを取り入れて、心のゆとりを感じてみませんか。ここでは、なじみの深い二十四節気と呼ばれる暦とその季節の花をご紹介します。
※二十四節気とは、節分を基準に1年を24等分に分け、春・夏・秋・冬などの名称を付けた季節のことで、約2600年前の中国で作られました。
日本でも古くから導入され、私たちの生活に密接な関係があります。
立春とは春のはじまり。まだ寒さは厳しい時期ですが、暖かい地方では、春の息吹が感じられる時期です。
水(うすい)とは、日雪が雨に変わり、氷が融けて水になる日。雪が降り積もる大地の下では、植物たちの春支度が始まっています。
啓蟄(けいちつ)とは、冬ごもり中の虫が目を覚まし姿をあらわす日。春の花々が咲き始める時期でもあります。
春分とは昼と夜の時間が同じ日。すなわち、冬と夏のちょうど中間地点。早い地域では、桜が咲き始める頃でもあります。
清明(せいめい)とは、南東風が吹く春のよい季節。草木の芽がでる時期です。
穀雨(こくう)とは、穀物を育てる雨が降り、芽を出させるという意味。
夏が始まる日のことです。この時期は大地が草で覆われ木々が繁ってきます。気持ちの良い風が吹き、晴天が続くので外に出ることが楽しみな時期でもありますね。
秋にまいた麦などの穂がつく頃で、ほっと一安心すると言う意味。麦などに穂がつくと「今のところは順調だ、よかった」と満足したことから小満と言う名前が付いたようです。
稲や麦など「穂が出る穀物の種を蒔く」という意味で、この頃は種まきを始め農家の忙しくなる時期です。ちょうど梅雨に入る頃で、少し蒸し暑くじめじめする時期です。
まだ梅雨の時期で、実感がないかもしれませんが、一年中で一番昼が長い時期。
梅雨明けが近く、本格的な暑さが始まる頃。
最も暑い頃という意味ですが、肌で感じるのはもう少し先ですね。
一年で一番暑い頃ですが、一番暑いと言うことはあとは涼しくなるばかりですね。暑中見舞いは前日まで、この日以降は残暑見舞いを。
処暑は暑さが止むと言う意味。萩の花が咲き、朝夕は心地よい涼風が吹く頃。台風のシーズンでもありますね。
秋が本格的に到来し草花に朝露がつくようになるという意味です。太陽が離れていくため、空もだんだんと高くなっていく時期です。
秋分は春分と同じく、昼の長さと夜の長さが同じになる日です。この日を境に夜の方が長くなっていきます。まだ夏の暑さは残っていますが、少しずつ秋へと季節が移ろうのが感じられますね。
草花に冷たい露が宿るという意味です。秋の長雨が終わり、秋も深まり始める頃です。東日本ではもみじの紅葉が始まり、農作物の収穫も行われますね。
霜降とは、霜が降りるという意味です。東北地方や本州中部では霜が降りるようになります。この頃になると、すっかり秋も深まり、もみじや楓が紅葉します。日本列島が北から徐々に、燃えるような赤色に染まる時期ですね。
立冬とは、冬が始まるという意味で、太陽の光が弱まり、冬枯れの景色が目立つようになると言われています。
小雪とは、雨が雪になって降る時期。北の地方ではこたつを押し入れから出す家が増える頃なのではないでしょうか。
大雪とは、雪が積もるという意味。この頃になると九州地方でも氷が張ります。12月に入り、街中がクリスマス一色になる時期。
冬至は、一年で一番太陽が出ている時間が短い日ということです。クリスマスの後に迎えるお正月のために、準備をしておきたい時期。
小寒は寒さが増す時期。寒中見舞いは小寒から出し始めるタイミングでもあります。
大寒とは、一年でもっとも寒さが厳しくなるという意味。外の寒さとは裏腹に、春の顔ぶれの花々が登場する時期。