冬場、よく花壇などに植えられているのを見かける葉牡丹(ハボタン)。
一見するとキャベツやカリフラワーなどに似て野菜のような見かけですが、華やかな色の少ない冬の街並みに美しい色を添えてくれる大切な存在で、縁起のいい花としてお正月に飾るお花の代名詞でもあります。
今回は、そんな葉牡丹(ハボタン)の花言葉とともに、名前の由来や種類・特徴、縁起がいいと言われる理由、プレゼントにおすすめのシーン、育て方などをご紹介していきます。
葉牡丹(ハボタン)の花言葉は、「祝福」「愛を包む」です。
葉が幾重にも重なって中央部分にかけて白や紫に色づき、まるでお花のような姿をしている葉牡丹。
縁起の良い牡丹(ボタン)の花のように見え、花が少ない冬季にも美しく彩ってくれることから、牡丹の代わりにお祝いごとに使われるようになりました。
葉牡丹の葉の重なりは「吉事が重なる」にも通じ、お正月に千両や万両、門松などと飾られる祝花の代名詞でもあります。「祝福」「愛を包む」という花言葉は、このことに由来するものと思われます。
また葉牡丹は、形状がキャベツにも似ています。
キャベツは葉を1枚ずつ剥いていくと、中心部に幼い芽や花があることから、西洋では「赤ちゃんはキャベツの中から生まれる」という言い伝えがありますが、葉牡丹の花言葉もこれに由来しているとする説もあります。
科・属 | アブラナ科アブラナ属 |
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学名 | Brassica oleracea |
和名 | 葉牡丹(ハボタン) |
別名 | 牡丹菜(ボタンナ)、花キャベツ |
英名 | Ornamental cabbage、Ornamental kale、Flowering kale |
原産地 | ヨーロッパ |
鑑賞時期 | 11~3月 |
出回り時期 | 11~12月 |
葉牡丹(ハボタン)は、アブラナ科アブラナ属に分類される多年草。
ヒラヒラとした葉がレタスのように同心円状につき、周縁部は緑色をしていますが、中心にかけて紫や白、クリーム色、赤、桃色などに色づいて美しいコントラストを形づくります。
これは、葉が出たあとに一定以下の低温下に置かれると、葉緑素が抜けてしまうためです。従って葉牡丹は温かい地域では色づかず、緑色のまま。
寒さに強く育てやすいことから、花の少ない正月のための祝花として、11~12月にかけて出荷されます。
4~5月にかけてアブラナによく似た黄色く小さな花を咲かせますが、この頃になると育ちきって観賞用としては姿が乱れるため、開花時期の前に処分されてしまうことがほとんどです。
このため、観賞用の一年草として扱われることも多くあります。
葉牡丹(ハボタン)は、実はキャベツの仲間です。
同じアブラナ科アブラナ属であるキャベツは、もともと丸く結球しない品種でした。中心部が丸くなるよう品種改良したものが現在のキャベツで、脇芽がたくさん出るようにしたのが芽キャベツ、つぼみを食用としたのがカリフラワーやブロッコリーです。
そして葉牡丹は、原種のキャベツやその仲間のケールを鑑賞用に改良した品種なのです。
このケール自体は、日本には鎌倉時代中期に渡来したと言われています。
現在の形で葉牡丹として栽培されるようになったのは江戸時代中期で、園芸ブームに沸いていた当時の流行に乗って多くの品種が開発された古典園芸植物となっています。
また明治以降には冬の園芸植物として海外にまで広まり、第2次大戦後にはさらに品種開発が盛んに行われました。
これにより、現在の葉牡丹の種類は主に下記の3グループに分けることができます。
■丸葉系
もっともメジャーな種類で、葉が丸くキャベツによく似たもの。オーソドックスな「東京/江戸葉牡丹」と、ちりめん葉牡丹との交配種である「大阪葉牡丹」があります。
■ちりめん系
葉の縁が細かく縮れてフリルがかかっており、サニーレタスに似ているもの。「名古屋葉牡丹」とも呼ばれ、根の成長がやや遅く地植えより鉢植えに適した種類です。
■さんご系(切り葉系)
葉に細かく深い切れ込みが入ったもので、ロシアの切り葉ケールと丸葉系の交配種に、さらに丸葉系を掛け合わせた種類。レースのような美しい外見で人気があります。
葉牡丹(ハボタン)という名前の由来は、その外見が葉牡丹とほぼ同時期の11~2月に咲く牡丹(ボタン)の花に似ていることと、花ではなく葉がそう見えることからです。
別名の「牡丹菜(ボタンナ)」も同様に、牡丹に似た葉の植物であることから名づけられました。
対して英名の「Ornamental cabbage」「Ornamental kale」は、「鑑賞用のキャベツ」「鑑賞用のケール」という意味。原種であるキャベツやケールが観賞用に品種改良されて葉牡丹となったという経緯をそのまま表しています。
「Flowering kale」は「花のようなケール」を意味します。
学名の「Brassica oleracea」のうち、「Brassica」は古いラテン語でこちらも「キャベツ」のこと。「oleracea」は「畑で栽培される」という意味を持っています。
一般に、葉牡丹(ハボタン)は縁起がいいと言われてお正月飾りなどにもよく利用されています。この理由をご存知でしょうか。
葉牡丹は、その名前の由来にもなったとおり、牡丹(ボタン)の花によく似ています。
牡丹は百花の王とも称されるお花で、幸福・富・高貴・豪華を表し、特にめでたい瑞花として吉祥文様にも描かれ、古来から珍重されてきました。また牡丹の「丹」は不老不死の薬を意味し、不老長寿の象徴でもあります。
そのため日本では正月にもともと牡丹を飾っていましたが、同じ時期に見頃を迎え、かつ外見がにている葉牡丹もまた、縁起の良いお花として扱われるようになったのです。
同時に葉牡丹は牡丹よりも価格が低く、花ではないことから日持ちがして生命力も強いため、扱いやすい祝花としての地位を確立することとなりました。
ここからは、葉牡丹(ハボタン)をプレゼントするのに特におすすめのシーンを3つご紹介します。
おめでたい瑞花として吉祥のモチーフであり、正月花としても長く飾られてきた牡丹の花に似ている葉牡丹は、お正月の贈り物の定番です。
幾重にも重なる葉は「吉事が重なる」イメージで、千両や万両、門松などと合わせたアレンジメントや花鉢は、華やかで気品があり、とても人気があります。
また、この頃に飾られる葉牡丹は花が咲いた状態ではないので美しさが長持ちしますし、寒さに強く丈夫なため、鉢物としても育てやすい品種です。ぜひ葉牡丹に新年の幸せのイメージを重ねて、お正月・年始の挨拶の贈り物に選んでみてください。
「祝福」「愛を包む」という花言葉を持つ葉牡丹は、結婚記念日やブライダルシーンのプレゼントにぴったり。花言葉を記したカードを添えて、愛するパートナーに贈るのがおすすめです。
和のイメージの強い葉牡丹ですが、よく見かける紫や白のほかにクリーム色や赤、桃色などの色もあります。
また品種が豊富でレースのように見える種類や小ぶりで丸く可愛らしい種類など、形もさまざまなため、イメージに合ったものが見つかるでしょう。
グリーンと合わせてナチュラルなイメージに作ったり、リースに仕立てるなどしても素敵です。
ちょっとしたお礼・お祝いで贈るギフト、発表会や個展の祝花など、冬にお花を贈りたいときにも葉牡丹はおすすめです。寒い冬場に見頃を迎えるお花は数が多くないため、アレンジメントや花束で季節感を出したいときに便利なお花です。
また葉物であるため、他のお花よりも持ちがよく丈夫なのも嬉しいところ。鉢物としても、初心者でも育てやすい品種です。
品種開発によって実はさまざまな姿かたちの葉牡丹がありますし、染めの葉牡丹も出回っています。淡い同系色でまとめて、可愛らしいイメージのアレンジメントや花束にしても似合いますよ。
日比谷花壇では、その時期に見頃を迎える花鉢やアレンジメント、花束などを幅広く取り揃えています。「お正月ギフト特集」では、年始のご挨拶にぴったりな、縁起の良い葉牡丹(ハボタン)をご紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。
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ここまで、葉牡丹(ハボタン)をプレゼントとして贈ろうと考えている方向けに、葉牡丹の花言葉や名前の由来、種類・特徴や縁起がいいと言われる理由、おすすめのギフトシーンなどをご紹介してきました。
お正月のお祝いとしてよく飾られる葉牡丹は、贈られた方が思わず笑顔になるような幸せな花言葉を持ち、丈夫で扱いやすいお花でもあります。
葉牡丹の花言葉や基礎知識を知ることで、より深くその魅力を味わえることと思います。今回の記事を参考に、ぜひ喜ばれるフラワーギフトを選んでください。