退任と退職の違いとは
「退任」と「退職」は似た言葉ですが、意味合いが異なります。
退任 |
任期満了などで社長/役員など役職の「任務」を退くこと。
退任後、職場に残る場合もあります。 |
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退職 |
定年または自己都合・会社都合で勤めていた「職務」を辞めること。
退職と同時に職場を去ります。 |
また、退任には辞任や解任も含まれますが、それらはお祝い事とはしないので注意が必要です。
退任祝いを贈るタイミングはいつがベスト?
退任祝いを贈るタイミングは、退任が正式に発表されてから、1~2週間以内にお祝いを贈るのがマナーとされています。退任日の前日までにお祝いのセレモニーなどを開催してお祝いを渡すのも良いでしょう。
お祝いのタイミングやどんなお祝いの品にするかなどは、会社の慣習などによって異なりますので、上司や先輩・同僚に相談しながら、退任祝いを贈るタイミングを決めましょう。
退任祝いの基本マナー 金額相場や熨斗について
次に、退任祝いの金額の相場や熨斗について押さえておきたい基本マナーを紹介します。
金額相場はいくらくらい?
退任祝いの金額相場は、1万~3万円が相場とされています。
しかし、「目上の人に渡す場合」「同僚や部下に渡す場合」など相手との関係性や、相手の役職や任期などによって変わります。ですので、お祝いを贈るタイミングと合わせて会社の慣習を考慮してお祝いの予算を決めましょう。
熨斗の「表書き」「水引」のマナーは?
退任祝いでは現金を贈ることは失礼とされていますので、喜ばれる品物にお祝いの気持ちを込めた「熨斗(のし)」を付けて贈ると良いでしょう。
水引は「紅白もろわな結び(花結び・蝶結び)」、表書きは「祝 御退任」「御退任祝」「御祝」などを選びましょう。本人が退任に対して良く思っていない場合は「御礼」として贈るのも良いです。
贈り主の名前には、同じ社内からの場合には部署のみんなで贈ることも多いですので社名と部署名(○○部一同)などと入れるのも良いでしょう。
社外から贈る場合は、企業名単体、または企業名と代表取締役の名前を記載します。個人として贈る場合は、企業名は書かず個人名のみにします。

退任祝いの選び方
そろそろ退任祝いのプレゼントを準備しよう、という段階になると、何を選べばよいか悩んでしまうものです。ここでは、退任祝いの選び方をいくつかご紹介しますので参考にしてみてください。
お祝いのシーンを華やかに演出するものを選ぶ
退任祝いのシーンを華やかに演出するプレゼントとして良く選ばれるのは「お花」。お祝いのセレモニーがある場合は、受け取りやすい「 花束 」がおすすめです。また、「 胡蝶蘭 」は高級感があり退任祝いのようなフォーマルなお祝いのギフトして人気です。「幸福が飛んでくる」という花言葉も、退任後のご活躍を祈るのにぴったりです。
また、シャンパンやワインなど特別感のあるお酒も、ご自宅でご家族と退任祝いパーティーをする際など楽しんでいただけるギフトとしておすすめです。
退任の記念に残るものを選ぶ
長く役職を勤め上げた方の退任など、その方の人生の新しい節目を記念として思い出に長く残るものを贈るのもおすすめです。ご自身が任期中活躍されたシーンを飾る写真立てや、退任後の時間も華やかに進んでいけるよう置時計など、インテリアにもなるような物はいかがでしょうか。 「お花もプレゼントしたいけど記念残る品も探している」という場合は、特別な加工がしてあり長く楽しめる「 プリザーブドフラワー&アーティフィシャルフラワー 」もおすすめです。
今後のご活躍を願うビジネスツールを選ぶ
退任しても仕事を続ける方もいらっしゃいます。退任後の新たなご活躍を願い、ビジネスシーンでよく使うグッズなどを選んでみてはいかがでしょうか。新たなキャリアに合わせて新調されることの多い「名刺入れ」や「万年筆」、広げると末広がりになることから縁起物とされている「傘」などがおすすめです。名入れサービスなどを利用して、その方だけの特別なプレゼントにするのも素敵です。
退任祝いでNGな贈りものとは?
退任祝いの贈り物には、退職祝いと同じように一般的にNG(避けたほうが良い)とされているものがあります。
ハンカチ
身近なプレゼントで良く選ばれるハンカチですが、漢字で「手布(てぎれ)」と書くハンカチは、贈る側の意図に反して「別れ」「縁を切る」などネガティブなイメージを与える場合があります。
くし(櫛)
「苦」や「死」を連想させるとして、縁起が悪い贈り物とされてします。「もめ事を解きほぐす」というポジティブな意味合いもありますが、退任のお祝いとしては避けるのが良いでしょう。
靴/スリッパ/靴下など
上司や目上の方への退任のお祝いの場合、靴/スリッパ/靴下などは「踏みつける」という意味合いがありますので注意しましょう。
肌着/下着
最低限の生活に困っている人へ贈るイメージや、下着は靴下と同じように「下」という文字から「下にみている」という意味合いを持つため、上司や目上の方への退任祝いには避けるのがベストです。
現金
贈り物のマナーとして、上司や目上の方へ現金を贈るのは失礼にあたるため、避けるべきとされています。現金の代わりに商品券を贈る方もいますが、人によっては現金同様に嫌がる方もいますので、喜ばれる品物を選ぶのが無難です。
開業祝い・開店祝いで使ってはいけない言葉・贈り物
開業祝い・開店祝いを贈るとき、使ってはいけない言葉や品物があるのをご存知ですか?
まず、タブーとなる贈り物は「赤字」や「火事」を連想させる赤色のもの。バラなど赤色のお花も避けましょう。また、火を連想させるキャンドルやライター・灰皿類、暖房器具もNGです。さらに、スリッパやマットなど足元で使うものは、「踏み付ける」という意味があるので失礼にあたります。オープンしたばかりのお店やオフィスの壁に穴を開けて使用する掛け時計や絵画、バーやスナックなど時間を忘れて楽しみたいお店への「時計」自体のプレゼントも良くないとされています。目上の人への現金の贈り物も、一般的には避けた方がいいでしょう。
使ってはいけない「忌み言葉」としては、閉店・閉業や倒産・廃業、火事などを連想させる言葉が挙げられます。「赤字」「傾く」「潰れる」「倒れる」「寂れる」「衰える」「終わる」「失う」「火事」「燃える」「焼ける」など直接的な表現のほか、「落ちる」「枯れる」「飛ぶ」「煙」「灰」などにも注意してください。
退任祝いを贈る際の注意点
退任祝いを贈る際の注意点をご紹介しますので、贈る方へ失礼にならない退任祝いの参考にしてみてください。
任期中の辞任や解任の場合の注意点
退任の中には、任期中の「辞任」や「解任」も含まれます。
「辞任」は自らの意思で任務を辞退すること、「解任」は他人(会社)の意向により任務を解かれることになります。辞任と解任ともに様々な理由がありますが、マイナスな理由の場合もありますので、必ず上司などに相談し退任の内容が「勇退」の場合に、お祝いをするように注意してください。
お祝いの品を渡すタイミングの注意点
「退任祝いを贈るタイミングはいつがベスト?」でもご説明しましたが、退任祝いを贈るタイミングは、退任の正式な発表があってから1~2週間以内、退任日の前日までに渡すのがベストです。
内示での段階など早すぎるお祝いは、退任を待っていたかのようにマイナスイメージを持つ方もいらっしゃいます。また、退任日当日はバタバタしていたり、たくさん贈られたお祝いの品で荷物になってしまうケースもありますので、「当日にお祝いの会がある」など以外では、なるべく当日にお祝いの品を渡すのは避けるのがよいでしょう。
社外から退任祝いを贈る場合の注意点
大切なお取引様やお客様、知人・親族など、社外から退任のお祝いを贈る場合、職場に直接贈ると逆に迷惑になってしまう場合があります。職場ではなく、ご自宅へ宅配便で送るか直接会って渡すのが一般的ですので、贈る方のご都合をお伺いした上でプレゼントをお届けするのが良いでしょう。
もし直接お祝いの品を渡せない場合は、メッセージカードを添えて感謝や労いの言葉を伝えるのがおすすめです。
退任祝いにメッセージも添えよう
退任祝いには、これまでの労いや感謝の気持ちを伝えるメッセージを付けて贈りましょう。メッセージカードを添える以外にも、一緒に贈る人で色紙を用意して寄せ書きしたり、オンラインの寄せ書きサービスを利用して印刷したものを渡すなどがおすすめです。
ただし、いくら「退任祝い」といっても、メッセージでお祝いの言葉を使うのは、退任の理由がおめでたい場合のみに限ります。本人が退任に対して良く思っていない場合など、メッセージの内容は相手によって変え、表現には注意してください。またいくら仲が良くても、マナーとして目上の人には敬語や丁寧語を使いましょう。
退任に関連する「 定番でシンプルな退職祝いメッセージカード文例 」や「 定年退職に贈る退職祝いメッセージカード文例 」なども参考にしながら、メッセージを考えてみてくださいね。
まとめ
退任祝いのプレゼントといえばフラワーギフト。ここでは、退任祝いを贈る際に知っておきたいマナーや金額相場、選び方、メッセージ文例などをご紹介しました。大変な役目を追えた方を労う退任祝いはマナーや注意点が気になってしまう方も少なくないと思いますが、基本的なポイントをしっかり押さえて、大切な方に喜ばれる退任祝いを贈ってくださいね。