春は、出会いと別れの季節です。社会人の場合も例外ではありません。職場に新しく入ってくる方がいる一方で、さまざまな理由から去っていく方もいます。出会いと別れの季節に欠かせないイベントが、歓送迎会や送別会です。そして、イベントが成功するかどうかは司会の腕に掛かっていると言っても過言ではありません。ここでは、イベントの司会を任された方のために、歓送迎会・送別会の司会進行の流れをご説明します。
まず、会の始まりを告げる開会の言葉から歓談の時間までの流れを、気を付けたいポイントと共にご紹介します。
歓送迎会や送別会は、司会による開会の言葉から始まります。アドリブで大丈夫と思っていても、人前に立つと緊張して頭が真っ白になってしまうことも珍しくないため、あらかじめ開会の言葉を準備しておくことをおすすめします。開会の言葉は大げさなものでなくて構いません。部署名と自分の名前、主役の方の名前を告げ、歓迎や送別の挨拶へとつなげましょう。
歓迎や送別の挨拶は、出席者の中で最も上役の方にお願いすることが無難です。挨拶が終わったら乾杯を行い、食事や歓談に移りましょう。乾杯の音頭は、歓迎の挨拶をした方がそのまま行っても、別の方が行っても構いません。別の方が行う場合は、主役の方の直属の上司に任せることが適切です。
乾杯が終わったら、参加者の方には思い思いに食事や歓談を楽しんでいただきましょう。出し物などを企画している場合はこのタイミングで行ってください。歓談中だからといって、司会は気を抜けません。特に歓送迎会・送別会に新任者がいる場合は、周囲にまだ馴染めていない可能性があるため、司会が積極的に声を掛ける心遣いが必要です。
続いて、会の主役の挨拶から花束・プレゼント贈呈までの流れを、気を付けたいポイントと共にご紹介します。
歓談が始まってから30分後を目安に、新任者の挨拶の場を設けましょう。歓送迎会の場合は、転出者(退職者)より先に新任者から挨拶をしてもらいます。転出者が先に挨拶をすると、場がしんみりしてしまう可能性があるためです。新任者の挨拶は、自己紹介とこれからの意気込みを語ってもらう程度の簡単なもので十分です。挨拶が終わったら、司会が率先して拍手をしてください。
新任者の挨拶が終わったら、転出者に挨拶をしてもらいます。司会は転出者の簡単な経歴を紹介し、本人からの挨拶へとつなげましょう。この際、声のトーンは抑え、別れを惜しむ雰囲気を作ることが大切です。転出者には、部署での思い出や今後の抱負などを語ってもらうと良いでしょう。新任者の挨拶の場合と同様、転出者の挨拶が終わったら、拍手を忘れないようにしてください。
主役の挨拶が終わった後、花束やプレゼントの贈呈を行います。花束やプレゼントを渡すタイミングは重要です。ここで主役を待たせてしまうと、会も興ざめとなってしまうかもしれません。花束やプレゼントの保管場所は会が始まる前に必ず確認し、転出者の挨拶が始まり次第、贈呈する方が花束やプレゼントを取りに行くよう段取りを付けておきましょう。
花束やプレゼントの贈呈が終わったら、閉会の挨拶をしていただきます。あらかじめ、出席者のうちで2番目の役職の方に挨拶と手締めをお願いしておいてください。閉会の挨拶後に、司会が会の終了を宣言します。2次会を企画している場合はその旨を告知し、参加者を募りましょう。
歓送迎会・送別会の司会進行の流れを、順を追ってご説明しました。歓送迎会・送別会は、新しい道に進む方を迎え、送り出すための特別な会です。上記のような流れを頭に入れた上で準備とシミュレーションを行い、滞りなく会が進行するよう努めましょう。