選挙で知人や親戚が選挙に出馬する場合、「応援したい気持ちはあるものの、一体何をしたら…」と悩む方も多いのではないでしょうか。 そこで今回は、選挙に関する陣中見舞い・当選祝いと、それぞれに関するマナーについてご紹介します。
陣中見舞いとは、主に選挙事務局や発表会などの楽屋、試合前の合宿などで活動している方々を応援するために贈るものです。今回は選挙に関する陣中見舞いにスポットを当ててご紹介します。なお、選挙に関する陣中見舞いは、選挙事務局の開設初日のタイミングで贈りましょう。
選挙の陣中見舞いでは、飲食物の提供が禁止されています。茶請けに用いる程度の菓子や果物など、一部の食べものの提供は認められていますが、弁当や酒、ジュースなどの提供は禁止です。この制限は公職選挙法の改正によるもので、候補者側から有権者への提供が禁止されているだけでなく、有権者から候補者への提供も違反となります。十分注意しましょう。
飲食物の提供が禁止されている代わりに、選挙期間中は金銭や有価証券の寄付が許可されています。また、物品を贈ることも可能です。選挙中は何かと資金が必要になるため、陣中見舞いでは現金の寄付が喜ばれます。ただし、1個人が1候補者に寄付できる金額や物品の総額は年間150万円以内と定められているため、この点を考慮して慎重に吟味してください。
のし袋には白と赤の蝶結びの水引をつけてください。表書きは「陣中見舞い」「祈念必勝」「祈御健闘」「祈ご当選」などが適切です。「滑る」「落ちる」「負ける」などの縁起の悪い言葉は使用してはいけません。
出馬していた知人や親戚が努力の甲斐あって無事当選した際は、当選祝いを贈りましょう。当選祝いは、当選が確定してから遅くとも1週間以内に贈ることが一般的です。では、当選祝いには、どのようなものを贈ると良いでしょうか。
陣中見舞いでは現金の寄付をおすすめしましたが、当選祝いでは現金を贈ってはなりません。また、有価証券を贈ることも禁止されています。現金や有価証券を贈ると公職選挙法違反になるため、注意が必要です。
当選祝いにおいては、物品のほか、陣中見舞いで禁止されている飲食物の差し入れも可能です。一般的な当選祝い品としては、祝意を伝える、事務所の見栄えを良くするなどの点から、花や観葉植物が贈られます。 当選祝いにおすすめの植物は、胡蝶蘭です。「幸福が飛んでくる」という花言葉を持つ胡蝶蘭は、鉢植えのためそのまま飾ることができます。また、花は3ヶ月ほど咲き続きます。当選祝いに適した花言葉と長期間咲き続ける点などが、当選祝い品として好まれる理由の1つです。
当選祝いに花を贈る際には、贈り主が一目で分かるよう、「お祝いの文章+贈り主名」を記載した木札をつけて贈ることが一般的です。「御祝」「祝御当選」のほか、「祝衆議院当選」「県議会当選祝」など、必要に応じて表記内容を変えてください。
陣中見舞い・当選祝いを贈った場合、祝い返しはあるのでしょうか。実は、祝い返しに関しても公職選挙法に定められています。公職選挙法では、陣中見舞いや当選祝いの祝い返しは禁止です。また、当選しても口頭で礼を述べることができないと定められています。 陣中見舞い・当選祝いを贈る際は、祝い返しや礼の言葉を期待してはなりません。選挙に関する陣中見舞いや当選祝いは一般的なマナーとは異なるルールがあるため、見舞いや祝い品を贈る際はその点を理解し、快く応援しましょう。
公職選挙法や政治資金規正法など、細かい取り決めが多い選挙活動。政治に携わる方を選ぶ重要な機会だけに、決まりごとの複雑さが際立ちます。しかし、決まりごとやマナーを守らなければ候補者に多大な迷惑をかけてしまいます。陣中見舞い・当選祝いを贈る際は、適切なものを適切な時期に贈るよう心掛けましょう。