日本人は昔から季節感を大切にして暮らしの中に取り入れてきました。
節分を基準に一年を24等分に分け、春・夏・秋・冬などの名称を付けたのが
「二十四節気」
です。
そして、その二十四節気の節気ひとつひとつをさらに三区分し、季節の風物を言葉で表現したものが
「七十二候」
です。
あなたも、日々の暮らしに、四季の移ろいを取り入れて、心のゆとりを感じてみませんか?

稲や麦など穂の出る植物の種を蒔く頃のこと。
農作業では田植えを行う時期にあたります。
-
-
稲や野菜は食べずに、害虫を捕まえてくれるカマキリは畑仕事において強い味方です。
その鋭いカマは恐ろしくも感じますが、田畑のヒーローのようにも思えてきます。 -
- 蛍が明かりを灯し、飛び交うころ。西日本と東日本では明滅の間隔に差があるようで、西日本では2秒に1回、東日本では4秒に1回といわれています。昔の人が腐った葉は蛍に生まれ変わると信じたことから、この候が生まれたとか。
-
- 梅の実が熟して色づくころ。季節は梅雨入りです。この季節に栗の花が咲き、雨で散ってしまうことから、梅雨を「栗花落(ついり)」とも呼びます。梅雨の文字にもあるように、梅の実は旬を迎え、木から熟した実が落ちるころには美味しい梅ジャムが各地で作られます。

一年で最も日が長く、夜が短いころのこと。
これからいよいよ、本格的な夏のはじまりです。
-
- 「靭草(うつぼぐさ)」の花穂(かすい)が黒ずんで、枯れたように見えるころ。花穂とは穂のような形で咲く花をいいます。うつぼぐさの花穂を乾燥させると「夏枯草(かごそう)」と呼ばれる生薬となり、煎じて飲むと消炎作用などがあるそうです。
-
-
「あやめ」が花を咲かせるころ。昔から梅雨の到来の目安とされてきました。
「いずれあやめかかきつばた」と言われるように、かきつばたや花しょうぶなど似ている花がありますが、あやめには編目模様があるので見分けることは容易です。 -
- カラスビシャク(漢名:半夏)が生えはじめるころ。畑の雑草としてよく見られる植物で、田植えを終わらせる農事の節目とされています。夏至から数えて11日目を半夏生(はんげしょう)、その日に降る雨を「半夏雨(はんげあめ)」といい、一年の豊作を占う習慣があったとか。