日本人は昔から季節感を大切にして暮らしの中に取り入れてきました。
節分を基準に一年を24等分に分け、春・夏・秋・冬などの名称を付けたのが
「二十四節気」
です。
そして、その二十四節気の節気ひとつひとつをさらに三区分し、季節の風物を言葉で表現したものが
「七十二候」
です。
あなたも、日々の暮らしに、四季の移ろいを取り入れて、心のゆとりを感じてみませんか?

立夏とは、しだいに夏めいてくるころのこと。
涼しい風を心地よく感じられる、お出かけにはうれしい季節です。
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野原や田んぼで蛙が鳴きはじめるころ。
5月5日は端午の節句ですが、もともとは中国の風習が日本にやってきたものです。
中国では健康を願って菖蒲酒を飲んでいましたが、日本では菖蒲湯に入ります。 -
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みみずが土の中からでてくるころ。
みみずを嫌う人は多いと思いますが、「大地の腸」「大地の鍬(くわ)」とも言われ、土を肥やしてくれる、田畑の隠れた味方です。 -
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タケノコがひょっこり出てくるころ。
最も出回っているタケノコは中国原産の「孟宗竹(もうそうちく)」という品種で3月中旬から。日本原産の「真竹(まだけ)」は5、6月に旬を迎えます。

陽気が良くなり、万物がしだいに天地に満ちはじめるころのこと。人も植物も日を浴びて、輝く季節です。
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蚕が桑の葉をいっぱい食べて育つころ。
養蚕は戦前まで日本で盛んに行われ、たくさんの桑畑が広がっていました。
この時期に蚕の餌となる桑の葉を採集していたことから「木の葉採り月」と呼びます。 -
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鮮やかな黄色い紅花が一面に咲くころ。
紅花の花びらは上の方に水に溶ける黄色の色素、下の方に水に溶けない赤の色素を含みます。水にさらしては乾燥させ、紅の染料となる紅色にしていきます。 -
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麦が熟して、収穫をするころ。
初夏を迎える時期ですが麦にとっては収穫の秋ということから、この季節を「麦秋(ばくしゅう)」と呼びます。麦の穂を揺らし吹き渡っていく「麦嵐(むぎあらし)」が心地よい季節に。